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2004年1月号
・・・「七色の味わい」・・・
 ここ柚野の里では穏やかな新年を向かえました。みなさまの土地ではいかがでしょうか?
 去年の暮れからのあわただしさも過ぎ、やっとで一息・・・新年のご挨拶となりましたが、酒造りにはお屠蘇気分も無く、この寒い時期ならではの活気のある蔵内が今日も続いている富士錦です。
 ところで、今の時期、日本酒といえば「熱燗一本!」と言いたくなる木枯らしの季節ですね。
 その昔、料亭と呼ばれる所には「お燗番」が必ず居たといいます。多くはお客様の事情に精通した大女将がつとめていたというのですから、単なる酒の温め係とは違う役割を果たしていたのでしょうね。
 たとえば、あのお客様は疲れている様子だから割水したぬる燗で・・・とか、あのお客様はせっかちな熱燗好きだとか・・・お客様の好みや体調に合わせてきめ細かくお燗する温度に心遣いをしていった結果が、その店を繁盛に導いていったともいいます。
 お燗番がその店のレベルを表していたのでしょうか・・・。
 日本酒は面白いお酒で、同じお酒でも味わう温度で七色の味わいがある「お得な幸福感」が味わえるお酒です。
 冷でそのまま飲んでもなんかイマイチだと思っても、ぬる燗にするとびっくりするほど美味しくなってみたりと、燗酒の醍醐味は底知れず。
 先日知り合ったお客様は、「ボクはいつもはこの酒をぬる燗で、でもって、やっぱり冷でそのままやりたいのはこの酒でね・・・それが一番うまいんだぁ・・・」と当蔵の純米酒としぼりたて原酒を指差しておっしゃっていたのが印象的でした。
 自分のための燗酒は別に難しくもなんとも無く、徳利を熱い湯煎に入れるだけ。
 ポイントは湯煎にかける時間です。
 徳利の底に手を当てて、熱いなと思うくらいがぬる燗で、もう少し湯につけておけば自然と熱燗に。
 何回かの試行錯誤のうちに、自分好みの温度が見つかるはずです。
 日本酒の七色の味わいです・・・
  今年も富士錦をどうぞよろしくお願いします。
 

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