
昨日、酒造組合での会議が終わり、家に戻ってきて夕食を食べていた時、「ボンッ!」という大きな音と地響きが敷地のどこかでしました。「何か落下したのかな…」と思い、食事を済ませてまだ明るい外に出た時、蔵の裏側から煙が出ていました。「誰かがたき火…?」と思い数歩歩いたら、目の前に5mほどの火柱がもうもうと立っていました。火事です!
離れていても顔が熱くなるほどの圧倒的な火の勢いに、一瞬我を忘れました!
火元は蔵の裏側にある大工小屋で、その中にあった井戸の水を圧送するポンプの古い制御盤が原因でした。短絡か漏電によるものだと思いますが、すぐ近くにペンキ缶や大工道具、木材が山積みにされており、それに引火して爆発炎上した様子でした。
すぐに会長に声を掛け、私はボイラー室にある消火器を取りに走り、急いで消火しましたが一本では消えず、二本目を再び取りに走り二本目でようやく裸火が無くなりました。まだくすぶっていたのですが、水をかけようにも圧送ポンプに電気が来ていない為、水が出ません。そこで、蔵の敷地内を流れる掘割から一人バケツリレーをし、水をかけて回りました。あたりは蒸気だらけで前も見えません。鎮火しかけたときに、同じ組内の元消防団の人たちが駆けつけてくれて、エンジン式可搬ポンプで消火のダメ押しをしてくれました。
ホッとして気づくと、自分は消火器の粉だらけで全身水でビショビショ、顔はススだらけ…しかも靴がぬげ裸足でした。火事場の馬鹿力とは言ったもので、小屋の中に飛び込んで火に近づいた時に「死ぬかも」と思いましたが、足元に落ちているものを踏んで転んでも消火器は放しませんでした。
年に一回防災訓練をしますが、この日ほど訓練が大切だと思った事はありませんでした。もしもの時の、日ごろの訓練をしていない人は、ムダと思っても是非やっておいてください。必ず役にたちますから…。