このページでは、富士錦酒造での酒造りの様子と、その工程をご紹介します。
酒造りは、いくつもの工程を経てお客様の元に届けられます。
工程の一部ではありますが、お酒を飲むときにでも思い起こしてください。
 玄米の表面には、糠層といわれるタンパク質・油脂・ミネラル分など、日本酒の酒造りにはあまり向かない成分を多く含んだ層があります。
 この「糠層」は日本酒の味に影響を及ぼすだけでなく、微生物を過剰に繁殖させる成分を含むため、これを除く精米を行います。
 私たちが日頃食べている飯米は、玄米の重量に対してせいぜい10%ぐらい糠をのぞいた白米ですが、日本酒作りの場合はもっと精米を進めなくてはなりません。
 ほぼ30%くらい糠を除いたあたりから「雑味成分の糠層」の減少率は低下していくので、少なくともこのくらいまでは糠を取り除く必要がり、酒の種類にもよりますが、今日の全国の酒造家の精米歩合はほぼ70%を越えています。
 精米は良質の日本酒作りには欠かせない工程であると同時に、この工程をしっかり行なわないと、その後の工程でいくら管理をしっかりし丹精をこめて酒を造ったとしても「良い酒」を造る事が出来なくなってしまいます。
 そう言った意味で、この精米の工程は日本酒の土台となる大事な工程と言えるでしょう。

山田錦と精米歩合35%の米

「日本山海名産図会」より
精米の図

 精米の終わった米は、洗米の工程へと移ります。
 この工程は、米の表面についた糠を洗い落とすためであり、この後に続く浸漬の工程を含め、秒単位での作業が要求されます。
 一般の家庭で米を研ぐときのように、濁りがなくなったら終わり、というわけにはいきません。「やさしく洗って、すばやく糠を取り去れ」というのが、酒造りの基本となっています。
 洗米の終わった米はすばやく浸漬(しんせき)の工程へと移されます。
 浸漬とは米を水につけて「水を吸わせる」ことで、その後の蒸しを左右する大切な工程です。
 「何分何秒つければどれくらいの吸水率になるのか」 ということを、毎年違う米を相手に、理想的な吸水率を求めて秒単位での作業が行われています。
 浸漬の終わった米は、すばやく水を切り、余分な水をしっかりと除いた後、蒸しの工程へと移されます。

米を洗う

ぬかを洗い流す

洗った米を水に漬ける

 しっかりと水分を吸収した米は、蒸しの工程へと移されます。
 米は甑(コシキ)と呼ばれる蒸し釜で、40〜50分ほど蒸され酒の原料へと姿を変えていきます。
 酒母となる「もと麹」用の米は一番上、その下に「添糀用」、「仲糀用」、「留糀用」と順番になお且つ丁寧に手積みされていきます。
 「キリッ」と冷えた柚野の冬空に、甑から立ち上る蒸気の雲は、冬枯れの景色に「富士山」とともにここ柚野の冬の風物詩となっています。
 なお、酒の醸造を開始するという意味の「甑起こし」という言葉は、「米を蒸す釜を準備しました」という意味でもあり、酒造りの始まりを告げる事でもあるのです。

和釜でお米を蒸している

お米の蒸しあがり
  蒸しあがったお米は、お酒の種類により、機械で冷却され、その際に麹をつけられるものから、そのまま室に運ばれ、そこで麹をつけられるものがあります。
 
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