仕込みと呼ばれる酒造りの工程は、大まかに「酒母仕込み」と「三段仕込み」(もろみ造り)の二つに分けられます。
「酒母仕込み」というのは、読んで字のごとく酒の元を造る工程で、「もと麹」と「水」・「掛米」(精米して蒸しただけの米)それに酒の味を決める「酵母」を混ぜて造られています。
「味を決める酵母」は、富士錦酒造の場合「静岡酵母」と呼ばれるものを使っており、この酵母はまろやかな口当たりと、上品な甘さが特徴です。 |
酒母造りは「酒の母」を造ることであり、アルコールを生成する酵母菌を純粋に増殖させる仕込みの基礎になります。 酵母が望む環境をいかに人間が作り出すかで、酒の味が決まるので、仕込みの中でも重要な工程です。 |
種母の仕込みが完了したら、次はもろみ造りとなります。
もろみ造りは一般に「三段仕込み」と呼ばれ、酒母の中に「麹」「水」「掛米」を3回の工程に分けて、増量しながら酒造りを行います。 |
タンクの中では、米のでんぷんを麹が糖に分解し、その糖を酵母がアルコールに分解するという複雑な経過をたどっています。3回目の仕込を終えた時点で、もろみが完了します。
もろみは約1ヶ月かけて熟成され、米と水の混合物からお酒へと変身していきます。
そのもろみをいつ絞るか、いつアルコールを添加するかについては、杜氏の経験とサンプルによる検査によって決められます。 |
お酒を絞るのにいつが最適なのか・・・ この判断を誤ると、せっかくのお酒の味が台無しになります。
杜氏にとって、お酒を絞るタイミングを計るのはとても神経を使うことです。 |
よく、「何でお酒にアルコールを加えるの?」って聞かれますが、アルコールを添加することにより、酒の味をまろやかにしたり、質の変化を抑えたりする技術のことで、お酒を増やすことでは決してありません。 |