蔵元便り 柚野の里から

2000年09月

2000年9月号

蝉時雨が降りしきる中、かげろうが地面を這うようにあちこちを揺らして、ヒマワリさえもしぼんで見える暑い夏もそろそろ終わりに近づいたようです。
そんな暑い夜、TV朝日の「ニュースステーション」を見ていると、静岡県富士宮市から生中継とテロップが流れてきました。

滝の飛沫がもやのように辺りにたちこめていたので、全体から糸のように流れ落ちてくる数十の滝全体は隠れてしまっていたのですが、それがかえって幻想的な雰囲気でした。
そんな幻想的な画面の中、何よりふるっていたのが、キャスター久米宏さんの一言でした。
「こんな夜は、富士山の湧き水で仕込んだ日本酒なんかを、キューっと一杯やりたいですね」と締めたのです。
思わず鳥肌!!!
「ありますよ富士錦です。ご存知ないかも知れませんが、今内の蔵にたくさんありますよ。湧水仕込みのお酒が!!!」
画面の向こう側に手を伸ばせるのならばすぐに届けられるのに・・・と、びっくりするやら嬉しいやらの白糸の滝生中継でした。
改めて思う事は、全国から見れば、富士山の湧き水を使った日本酒というのは非常に貴重なものであり、この土地の豊かさを示しているのではないでしょうか?そしてその清らかな水に呼応するように、静岡県は実に銘醸造が多いのです。
そんな静岡県の地酒を堂に集めた「地酒のお祭り」が今年も「日本酒の日である10月1日に開催されます。場所は富士ロイヤルプラザホテルが会場です。「下戸の人」も「うわばみさん」も「静岡県の人」も「そうでない人」も是非、皆様その舌で静岡地酒の豊饒さをご堪能いただきたいと思っております。
お問い合わせは「富士錦」もしくは静岡県下の酒販売店まで・・・お気軽にどうぞ・・・