蔵元便り 柚野の里から

2017年12月

運を開く酒

 本格的な寒波が今年は早く訪れて、グッと冷え込む日が続きます。
真っ白に霜が降り、凍ったコンクリートの上を歩きながら、見上げる富士の姿は、真っ白な冬景色。 本格的に寒い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか?
今年もあとわずかとなり、一年で造り酒屋が最も忙しい時期を迎えました。
富士錦でも、冷蔵倉庫の扉を開けると、正月を迎えるためご用命いただいた四斗樽・二斗樽が、 ぎっちり並び、出荷の準備が整いました。
一年の中でも、最も樽酒のご用命をいただくのがこの年末です。
縁起の良い富士山と松の絵柄で、木樽に入った大きな樽酒が、数十個並ぶ姿は圧巻です。 独特の木香がついた樽酒は、瓶に詰められた日本酒にはない、お祝い事の華やかさがあります。
今月23日に開館された富士宮市の世界文化遺産センターのオープンセレモニーにもご依頼いただき、 樽酒で「鏡割り」していただきました。
樽酒の鏡割りには、「運を開く」という意味もあり、新しい門出を皆で祝うのにふさわしい演出です。
「新しい門出に、運が開けますように!」そんな願いを込め、富士錦の樽酒、1本1本丁寧に作らせていただいております。

今年一年、たくさんのご愛顧を賜り、誠にありがとうございました。
富士錦の醸す酒が、皆様に心温まる時間を運ぶことを、スタッフ一同心より祈っております。
どうぞ、良いお年をお迎えください。