蔵元便り 柚野の里から

2017年08月

未来

事務所横のグリーンカーテンが、次々と南瓜(かぼちゃ)の黒い実をつけました。「昨年食べて一番おいしかった南瓜の種をとっておいて、苗にしたんですよ。」と、うれしさそうに話す園芸班の言葉を思い浮かべながら食べる南瓜の甘煮は、やさしい味わいが広がり体の疲れがとれるようでした。ビタミンたっぷりの南瓜は、夏の終わりにぴったりの食べ物ですね。薄くスライスして天ぷらにしたら、富士錦の純米酒にもぴったり合いました。美味しかったです。

ここ二年、富士錦では8月は設備の入れ替えや修繕の月となっています。昨年は、お陰様で洗瓶機を新しいものに一新しました。その結果、作業効率と洗瓶の質が大きく向上し、重要な清酒の瓶詰工程が、非常に安定したものとなりました。
今年は、燃料である重油タンクの大規模修繕を行いました。これは、万が一地震が発生した場合の二次災害防止用の内部ライニング施工の工事です。
真夏の猛暑の中、狭いタンク内での作業は、上のマンホールから太いホースでエアを送りながら続けるもので、ご苦労が窺い(うかがい)知れます。無事、消防本部の完成検査も合格し、盆明けからその期間出来なかった瓶詰作業を再開し、続々と新しい商品が出来上がっています。

このような設備の入れ替えを通して、ものすごいスピードで進むテクノロジー進化の時代を過ごしていることを考えさせられます。
ご愛顧いただいている皆様に、年々美味しくなった富士錦の進化をお飲みいただけるようたゆまぬ努力を続けていきます。