蔵元便り 柚野の里から

2002年03月

蔵元見学

 1月に芽を吹いたヒヤシンスが、今では青い可憐な花を咲かせ、春がもうそこまで・・・といった感を漂わせています。
田んぼでは、早くも田おこしに向けて、田のあぜおこしをする姿が里でも見られるようになりました。
寒さで堅くなった土をひと振りごとに砕き、まず突破口を作るといった感じのこの作業。 この作業を見るたびに「縁の下の力持ち」という言葉を思い出します。
2月になりそろそろ3月の足音が聞けるようになると、毎日お電話で「今年の蔵開きはいつですか」というお問い合わせを数多くいただきます。
今年は、3月17日(日)AM9:00~PM3:00に開催します。
年に一度のお祭です。皆様お誘い合わせの上お越しください。
また、この時期は「酒蔵見学」を希望される方が多く、まして今年は「ホールアース自然学校」の自酒つくり企画も含め、当蔵で酒造りの体験をされた方がのべ30名にものぼりました。
見学や体験酒造りをされると、皆さまさまざまな感想を抱かれるようです。
「想像していた以上にきつかった。」という体力的感想。
「タンクに水と米と酵母を入れれば、あとは出来上がるのを待っているだけかと思ったが、大間違いだった。」という造りの感想。・・・色々です。
「そうです。 お酒は生き物なんです。」というと、大体の質問に納得していただけます。
こんな風に、草の根的な活動ではありますが、富士錦の酒が作られる姿を、そのまま見ていただくことが、「富士錦」という名前の「造り酒屋」を理解していただく一番の早道と思っております。
そこで、もしどこかの蔵元見学をされるときのポイントをひとつ・・・

まず蔵内の清潔さ。
微生物を扱う蔵内では清潔さが何よりも大切です。
そして、精米所で米をチェックし、もし可能であるならば 、仕込み水を飲ませてもらえれば、その蔵の酒造りに対する姿勢が大体わかるはずです。
米粒が小さければ小さいほど雑味の無いきれいな酒になるし、仕込み水がおいしければやはり上質の酒ができるのです。
誠意あるつくりをしている蔵は、きっとこのような条件を満たしているはずです