蔵元便り 柚野の里から

2005年02月

真っ白な屋根

 真っ白な霜が屋根やアスファルトを覆い、歩くとサクサクと靴の下で音を鳴らす冷え込む早朝が続きます。
ここ柚野の里でも、暮れから一月にかけて幾度もの雪が降り、冬本番を迎えました。 富士山も真っ白に雪化粧しまし、一段と寒さを感じさせます。
今年、蔵では元旦も休まず酒造りを続け、この寒さに合わせて大吟醸造りに励んでいます。
そんな中、ちょうど学校の冬休みに合わせて、一人の青年が学校の研修の一環として富士錦の酒造りに携わり、無事に数日間の研修を終こなし学校へと帰っていきました。
明るく、闊達な彼の若さに、場の雰囲気も和らぎ、厳しい酒造りの仕事場に暖かいものが漂う、良い雰囲気の蔵内となりました。
若さが持つ魅力って面白いですね・・・。
彼がモリモリと食べると、自然と蔵人の食も太くなりました。
まだ21歳の彼が、どうして蔵元での研修を志願するほど日本酒に引き込まれたのか興味深いところですが、その真意のほどまでは聞くことができませんでした。 しかし、「日本酒ってうまい!」その思いはとても心強い彼でした。
今年成人式を迎えた人たちが、どんなお酒との出会いをするか分かりませんが、ぜひ、おいしい日本酒と出会ってみてください。 いつでもお待ちしております。
大きな円形の入れ物に水をため、そこに瓶と洗剤を入れ、一升瓶を一本一本専用の柄の長いブラシで洗っていくおばちゃんたちのたくましい姿は、今でも脳裏に焼き付いています。

そんな出会いの機会に、富士錦春の恒例「蔵開き」を今年も3月20日(日)に開催いたします。
どうぞ皆様でお越しくださいませ。