蔵元便り 柚野の里から

2009年09月

伝説の演説

遅咲きのひまわりが、その黄色の明るい花をようやく咲かせ、花壇がひときわ楽し げになりました。この夏は梅雨明けが八月にずれ込んだり、駿河湾沖地震の大きな 揺れに「とうとう来たか、東海地震・・・」と肝を冷やしたり、天候不順・天災への備え を、改めて考え直す月となりました。被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げ ます。
ちょっと明るい気持ちが欲しいなと思っていたそんな折、私の元気の源、朝日心月 さんのブログの中で、米国アップル社の創始者・スティーブ・ジョブズさんの伝説の演 説と呼ばれるスタンフォード大学の卒業式での演説の映像を目にしました。

「いかに 生きる?」こんな難しい問いに、わかりやすい言葉で、ご自身の人生を語りながら、ま るで私に語ってくれるように答えている心打たれる素晴らしい演説でした。
その中で、 心に残った言葉が、「信じる」という言葉です。ジョブズさんは説いています。「自分が 今日している仕事を、過去に繋げて見ることはできますが、未来に繋げて見ることは 出来ません。」と。
今の私に置き換えれば、今日ご注文いただいたお客様がどこで富 士錦とご縁があったかを紐解くことはできますが、今こうして書いている蔵元便りが、 これから誰とご縁を繋ぐ事が出来るかを今知ることは出来ません。
だから、あなたが 出来ることは、今時分が行っている仕事を「信じる」事です、と。そうジョブズさんは語 っていました。今日の仕事が、点となりそれが連なって振り返れば道となっている。 だから、自分が素晴らしいと信じる仕事をする事です、と。
この夏、四十七年間弊社の代表を務めました会長が、代表を引退しました。永きにわたり賜りましたご厚情に心より感謝申し上げます。
これからも、どうぞ富士錦を見守っていただけましたら、幸いです。