蔵元便り 柚野の里から

2011年08月

ほまれの夏

なでしこジャパンの世界一の大躍進、嬉しかったですね。田植えが終わって早2ヶ月。6月の記録的な暑い気温の中で、稲も順調に伸びました。7月の台風6号には警戒しましたが、順調に根付いていたため、無事でした。


毎朝窓の向こうには、緑が濃くなった稲がずっと里中に広がります。時折吹く風に葉先がなびき、緑と白のグラデーションを描きながら風の走る道が揺れています。

そしてその風は、節電の夏に一瞬の涼を運び、どこかで誰かが朝早くから精を出す草刈り機の音をかすかに運んできます。里を愛する人たちの貴い夏の風景です。
酒造好適米「誉富士」、栽培を始めてから4年、軌道に乗っています。4年分の記録を書いた米造り担当者のノートは、日々書き込まれ、角がめくれて随分貫禄がついてきました。そして、担当者達の顔つきも逞しさを増しました。
その隣の畑では、自社の芋焼酎用の黄金千貫の栽培量を増やしました。蔓を伸ばし、地面を覆いつくしそうな勢いです。富士錦、収穫の秋が楽しみです。
一方蔵では気温が上がってきたので、節電に気を配りながらも、タンクの中の酒に涼やかに夏を越してもらうよう、温度管理に余念がありません。
今、一番の社長のお薦めが、「特別純米酒 誉富士」。このお酒、富士錦が米造りから酒造りまで全て自社で行う一貫造りの酒。思いを籠めた酒ですが、現在、熟度といい、味のバランスといい香りといい、本当に飲み頃の良い感じのお酒になっています。

先日の試飲会から帰った社長が、嬉しそうに、この酒皆さんに呑んで欲しいなあと、話してました。(実は、社長がこんなに褒める酒、珍しいです。)
なでしこジャパンの澤ほまれ選手の大活躍に勇気を貰い、富士錦のほまれ富士で鋭気を養い、この震災後の大変換の毎日を、日本人の底力で心を強くして明るく切り開きたいものです。一緒に、鋭気を養いませんか?