蔵元便り 柚野の里から

2013年03月

心のふるさと

みぞれ混じりの冷たい雨が降る中、暦の上では「雨水」を迎えました。 里では、来月の蔵開きに皆様に楽しんで頂こうと、有志の方が蒔いてくださった田一面の菜の花と雲間に照らす眩しい日射しが、 そこまで来ている春を告げています。

二月のひと際寒い日の早朝、蔵では、いつものように酒の仕込みが始まりました。そして、この日から、工藤夕貴さんも、仕込みの作業に加わりました。
工藤さんが育てたお米を使って、富士錦にてお酒を仕込むようになって、早5年。
もともと日本酒は色々お飲みになっており、自分の手でお酒を造ってみたいという想いは強くお持ちになっていた工藤さん。
お忙しい中、本当に我が子のように丁寧にご自身の酒造りに参加されています。
この期間、気が付くと工藤さんが蔵にいる、と慌てる位です。蔵のスタッフ達もその行動力とタフさ(もちろん美しさに)、大いに触発されています。
工藤さんと共に醸す酒、「賜(ぎふと)」は今月より発売を開始しました。
様々なご縁をいただいて、富士山の麓のこの地にて、酒を醸して300年。
この地は富士錦の故郷であると同時に、地元の造り酒屋を守り支えてくださった土地でもあります。故郷とは何か?毎年春が近くなると、必ず心に浮かんでくる想いです。
富士錦を見守ってくださったこの地で、激動の現代に、私達が生かされている理由は何だろう・・・そんな想いを常に心に刻み続けています。
そして、毎年春、地元に酒蔵がある豊かさを、多くの皆様に感じて頂きたく、蔵開放をし、私達の仕事をしっかり見て頂いています。
今年もあと3週間で、「蔵開き」開催の運びとなりました。

準備で慌ただしくなってきた日々ですが、皆様の心の故郷の原風景となれるよう、鋭意努力しています。皆様のお越しを心よりお待ち申し上げます。
富士錦第17回蔵開き 3月17日(日)開催。(雨天決行)