蔵元便り 柚野の里から

2015年08月

秋の匂い

赤とんぼが飛び始め、日暮れがぐっと早くなりました。見渡す限りの黄金色の稲穂の畔を歩くと、久しぶりにかぐ乾いた穀物のにおいは秋の匂い。漂っていきました。

同時に昔の化粧品のCMの「お帰りなさい秋の色」というキャッチコピーが思い出され懐かしさから始まるのが秋なんだ、と妙に納得しました。

今月、蔵元は「富士錦の会」を企画していただいた、高田馬場のしずおかおでんの店「ガッツ」さん・川崎の鮨匠「さくら」さんへ行き、出張続きの月でした。

静岡地酒をこよなく愛し三か月に一度、静岡の蔵元を囲む会を企画されるという「ガッツ」さんは、静岡ご出身。ご自身で作られたというこの日の為の見事なリーフレットは、プロ顔負けの仕上がりでびっくりしながら拝見していると、元TVマンなので編集作業は慣れたものだから…と涼しい顔。日本酒の持つ魔力でしょうか?周辺に集まってくる人は、こんな魅力あふれる異色の経歴の方が多いです。

活気溢れる店内で、おいしいしずおかおでんと共に富士錦の酒7アイテムを、ご紹介しながら存分に富士錦の酒を堪能していただきました。鮨匠「さくら」さんの会は、お鮨と日本酒のマリアージュで、日常とは違う上質な時間を楽しんでいただく和やかな会でした。

日本酒の会に参加させていただくと、どの会もまた来たいなと思う後味の良い楽しい会ばかりです。日本酒の周りに集う皆様は本当に魅力的な人ばかり。飲食店さんや酒販店さん、そして会に集う皆様。酒を楽しみ人生を楽しんでいらっしゃいます。日本酒が繋ぐ縁をこれからも大切にしたいと思っています。

来月には、静岡県酒造組合主催の「地酒祭りinTokyo」を皮切りに、10月1日「日本酒の日」へ向けて、富士錦でも多くの会に出陣します。日本酒が一番おいしくなるこれからの季節、是非、会場でお会いできるのを楽しみにしています。

また、秋といえばこのお酒「純米原酒ひやおろし」は9月3日発売です。今年のひやおろしも、まろやかなふくらみのある極上の味わいです。季節限定品につきご予約はお早めにどうぞ。