蔵元便り 柚野の里から

2016年09月

富士山頂

台風が連続して発生し、長雨が続いています。お元気ですか? どしゃぶりの中赤い彼岸花が一際目を引く芝川の土手は、吹く風が驚くほど冷たくて、雨空の下、季節が秋本番と移っていることを知りました。

富士錦の軒下の「酒林」も今月は、外されていることが多い「避難準備」の月でした。
こんな雨空の上、雲の上へ富士錦では酒と一緒に登山してきました。 9月11日の夏山閉山に合わせて、富士錦純米酒720mlを二百本、富士山頂の山小屋に貯蔵させていただく為、社長含め4人で山頂へ向かい、酒を運び上げ「富士山頂越冬熟成酒プロジェクト」をスタートさせました。
この日から来年の7月の開山まで富士山頂で越冬10か月を過ごします。
このプロジェクトは、弊社が3年前から取り組んでいる南伊豆の駿河湾海底に沈めた「海中熟成酒」の美味しさに魅せられた蔵元が、 日本一高い場所、富士山頂に貯蔵してみたいと願い、山小屋のご協力を仰ぎ、スタートさせました。

日本一高い山「富士山」と日本一深い海「駿河湾」に酒を眠らせる、ロマン溢れる静岡県にしかできないプロジェクトです。
山頂での越冬中に氷点下で一度凍らせた純米酒を自然解凍した自然酒が、どんな酒となるのか、富士山頂を眺めながら、ひと冬みなさまの楽しみとしていただけたら幸いです。