蔵元便り 柚野の里から

2008年08月

山登り

夏休みの自由研究の題材にインゲン豆の観察を選んだ娘のペットボトルの種床に、種まきからわずか3日で新芽が伸び10センチの双葉に成長して、ビックリしました。真夏の日差しを浴びてぐんぐん伸びるその様は、まるでジャックと豆の木のよう・・・。天に伸びたら現代の雲の上には、どんな鬼がいるのだろう?トトロのような夢のある主がいてくれたら、夢で子供たちの心が満ちるのだろう・・・。

 先日、暑い中をいらっしゃってくれたお客様と話をしていたら、思いがけない言葉をいただきました。「私達は、山登りが趣味で全国各地の山を、夫婦で登っては、その地の地酒を飲むのが楽しみなんですよ。」と始まり、「それで、飲むときの基準はいっつも富士錦。

二人で、富士錦よりうまいかなどうかな、なんて言いながら、富士山の麓にある地元で酒を造っている蔵があってね、なんて言いながらその地の人と山と酒の話をするのが、これまた止められないですよ!」と、笑顔で教えて頂きました。
こちらまで、楽しくなってしまったその笑顔が、嬉しくてその日一日をとても気持ちよく過ごすことができました。本当に楽しい趣味ですね。嬉しいお話、ありがとうございました。
また、先日頂いたお手紙の中には、・・・長年私は日本酒党・家内はダメ。ある時富士錦の大吟醸を飲んでいると、何を思ったか私も少し飲んでみようかしら、との声。以来家内にとっては富士錦は日本酒の代名詞。この時を境に、つまみの種類が増えました。・・・という、何ともうらやましいほんのりとしたエピソードをいただきました。

かの松下幸之助さんが、繁盛店の秘訣は、夫婦仲の良い店、と断言されていたそうです。皆様の幸せを願いながら醸す地酒屋として楽しい時間のお役に立てれば、こんなに幸せな事はありません。弊社も繁盛店目指して、今夜こそ乾杯!です。