蔵元便り 柚野の里から

2004年12月

研究を重ねて

日一日と秋が深まり、澄んだ空気に雪化粧の富士山が初冬の色合いを魅せています。
その景色は今年も見事です。
それゆえか、当蔵周辺だけでも多くのカメラ愛好家が、こぞって富士山のシャッターチャンスを狙って奮闘している姿が目立つ柚野の里です。

この、誰もが懐かしくなる「ホッ」とする里の風景と富士山の際立つ美しさをお伝えし続けていきたいと思うこの晩秋です。
酒造りの始まった蔵の中では、「もろみ」が息づき始めました。 今年は今まで以上に研究を重ねてきた米洗いに改良を加えたところ、去年より更にきれいに米が洗えるようになりました。
その結果、麹がいわゆる「突きはぜ麹」と呼ばれる一粒の麹の奥まで菌糸が伸びる理想的な麹になり、格段に麹の質が上がったのです。
これまでの努力が実を結び、蔵からは歓声が上がり「よしやるぞ!」と一気に心が一つになり幸先の良いスタートが切れました。
このもろみが、どんな酒に醸し出されるのか、今から本当に楽しみです。 毎年、しぼりたての季節は胸が躍りますが、今年もあと少し、待ち遠しくなってきました。
12月に入ると、今年も毎週土曜日に富士錦から新酒が発売されます。 まずは「しぼりたて原酒」に「純米ふなくち」、そして「純米吟醸ヌーボー」と続きます。
それぞれに、違う魅力と味わいと搾ったままの蔵内の味をということで、「無濾過」・「生原酒」で発売いたします。 ぜひ、ご堪能ください。 ご予約お待ちしております。
また、昨年より袋詰めを開始した酒粕ですが、大変ご好評賜りありがとうございました。 今年も12月10日より発売する予定です。

香り豊な酒粕もどうぞご賞味くださいませ。
今年も富士錦は、富士錦らしい「ふくらみのある日本酒」を醸すため、仕込が始まり活気溢れる蔵内です。 皆様においしいお酒をお届けできるよう、頑張っております。 お楽しみに!