蔵元便り 柚野の里から

2005年07月

気持ちのいい汗

 昨日、蔵に向かって歩いていると、蛇がニョロリ・・・。
一歩間違えば踏んでいたかも・・・という近さで気づき、あわてて横切ると、あちらも、それはもう大慌てで向こうの木陰に大移動。
子どもの蛇のためか、地面のコンクリート色とほぼ同化して気づかなかったのです。
ドキドキしながら角を曲がると、今度は足元から親蛇が・・・。
ウッ! っと立ちすくんでいると、親の方は優雅に側溝へと降りていきました。
この季節、外を歩くだけでもスリルを味わえる、柚野の里です。
ところで、この梅雨の季節といえば「梅の季節」ですね。
雨が少ない柚野の里の今年の梅雨ですが、枝の間に実る青い梅は、甘い桃のような上品な香りを漂わせています。
富士錦が、初めて梅ワインに挑戦して、お陰様でちょうど10年が経ちました。
地元の梅を使って芝川の特産品を造りたい というコンセプトのもと挑戦したこのワインは、当時、まだ梅ワイン自体が珍しく、その風味や味、そして梅自体の持つ健康促進効果などが注目され、大きな反響をいただきました。
そして、10年目を迎えた現在、芝川梅ワインは地元で愛される特産品として、富士錦を代表するワインとなりました。
そこで、今年はその梅を使って、梅酒の仕込みに初挑戦!
梅はもちろん、稲子産100%。 1トン半の梅のヘタを社員総出で一つ一つ取り、きれいに洗った後で、仕込みタンクにつけこみました。
気持ちの良い汗でした。 コクと丸みを出すため一工夫。  半年後、どんな味と香りになっているか、こうご期待です。
ここ、富士宮・芝川は、水と緑そして富士山と、豊かな恵みの地です。

先月の初め、ある企画番組の中で、この地が取り上げられました。 TVから流れる風景は、見慣れたものながら、カメラを通すことで一味違う客観的な視点が加わりました。
この地を愛するものとして、豊かで郷愁を誘う「ホッ」とする雰囲気を、この地区の元気の源として守り育てられたらと願うひとときでした。