蔵元便り 柚野の里から

2006年01月

寒さ焼け

 赤く寒さ焼けした子どもたちの頬は去年から今年の冷え込みを物語り、何年か振りに「ツララ」の下がった軒下で、学校へ向かうランドセルたちを見送ります。
去年から続く日本海側の大雪にしても、今年は本当に寒いですね。
柚野の里では、雪こそまだ降りませんが、早朝マイナス2度以下にも下がり、水道管が凍ってしまいました。 蛇口をひねる手もかじかみます。
お酒造りの現場でも、この寒さは微妙な影響を及ぼしています。
お酒の発酵温度は、低温発酵とはいえ通常7℃から12℃くらいの温度が必要になってきます。 ですから、あまり寒すぎると発酵も鈍ってくるのです。
そんな時は、タンクの下をほんのり暖めて、発酵の手助けをしてあげます。
今年は、特にこんな風景が目立つ蔵の中です。
しかし、畑福杜氏の明るい顔つきを見る限り、今年のお酒も期待できそうです。
ちょうど先日、大吟醸の上澄みを皆で利き酒しました。
口に含むと「フワッ」と鼻に抜ける華やかな香りと、おいしいものだけが持つ、「ほんのりとした甘さ」が口いっぱいに広がって、至福のひと時を皆で分かち合いました。
蔵元の「今年も良い酒だなぁ!」という弾んだ声、それがすべてを物語っています。
先日もお客様から、「大吟醸・馨 は本当に旨い酒だ。毎年、これが楽しみなんですよ。」という実感のこもった声を頂戴して、季節商品として、すっかり根付いて参りました。  現在、馨になる大吟醸は、丁寧に袋取りして、4日間かけて上槽中です。
どうぞお楽しみに・・・

また、今年の新酒、みなさまはもうお飲みになりましたか?
こんな冷え込む冬は、おいしい日本酒でどうぞ身も心も温まってください。
しぼりたて・純米ふなくち・純米吟醸ヌーボーと、それぞれの新酒の福々しい香りと味をどうぞ御堪能ください。

新しい年になり、寒さもまだこれからが本番です。みなさまもお体をご自愛ください。そして、今年もみなさまにとってよい年でありますように、富士のふもとの柚野の里からお祈り申し上げます。