蔵元便り 柚野の里から

2006年02月

土地柄

 大寒波の年明けに、空から音もなく降ってくる白い雪が一向に降り止まず、だんだん体感温度も冷え込んでくる、寒さ厳しい仕事始めでした。
空を見上げ、挨拶回りに出掛けたものかどうかと静岡県人が右往左往している中、山梨県からは、何の迷いもなく、朝ご挨拶にみえました。
「こちらは出かけたいにも出かけられず、困っているんです。」と話すと、「信じられない・・・」と本当にびっくりされていました。
やはり、土地柄の違いですね。
皆様は、いかがでしたか。 さぞ、大変だったことと思います。
柚野の里でも、道路のあちこちで車が立ち往生しておりました。
そんな中、酒蔵の中では、大吟醸の仕込が佳境を迎え、蔵に入ると「ふつふつ」と泡立つもろみが徐々に華やかな香りを漂わせ、杜氏も蔵の中を駆け抜けています。
例年、大吟醸は、前年に醸したものが新酒に替わるのは夏を越してからが多かったのですが、おかげさまで今年は、年明けと共に新酒となり、フレッシュな大吟醸を味わっていただいております。
また、今年は、嬉しいことに幾つかのTV番組の中で、芝川町がピックアップされました。
芝川町の大きなお寺でロケが行なわれた、お正月番組の「南総里見八犬伝」(TBS)を皮切りに、「鶴瓶の家族に乾杯」(NHK)で、ここ芝川町を舞台に、笑福亭鶴瓶さんとゲストの天童よしみさんが、ぶっつけ本番の出会いの旅をされ、その様子が二週にわたって放送されました。(本当にぶっつけ本番、前触れもなく芝川町を駆け抜けていらっしゃったようです。)
やはり、富士山の雄大さと里の暖かい人情が伝わってくる、土地柄の出た放送でした。
当蔵も、芝川町紹介コーナーで、酒造りの様子を紹介していただきました。


生まれ育った町が、TVを通じて紹介されるのはとてもうれしいことでした。
思いもかけず、この町の土地柄が映し出されて、このまま変わらずにあり続けてほしいなと思う、初春でした。