蔵元便り 柚野の里から

2006年12月

熊出没

立冬を過ぎたというのに、11月の平均気温は18度と暖かい冬の入りです。
ここ芝川町では、冬眠前の熊が人里近くまで降りてきて、小学生は集団下校、大人は巡回パトロールと、しばらくの間厳戒態勢が続きました。

この地に七十年以上住む蔵元も、こんな年は初めてだとびっくりしています。
全国的にも熊出没のニュースが相次いでいましたが、人ごとではないと、ランドセルに鈴を付けたりなどの慣れない自衛手段で対応しています。
おかげさまで、最近は熊対策も落ち着いてきました・・・。

無事、山の中で冬眠の準備が出来たことを祈ります。
一方、蔵に一歩近づくと、なんともいえない新酒の香りが漂ってきます。 もうすぐ搾り出されるしぼりたての「もろみ」は、プツプツと泡立つ様子もだいぶ落ち着いてきました。
米の白さをそのままに発酵を重ねる「もろみ」の最終段階です。

この冬は、しぼりたて原酒を筆頭に、純米ふなくち・純米吟醸ヌーヴォー、そして今年は、大吟醸の初しぼり・馨までと新酒の四重奏カルテットが続きます。
どんなお酒が生まれてくるのか? どうぞ、みなさまお楽しみくださいませ。

今月は、事務所の隣の応接間を少し模様替えして、当蔵の商品をご覧いただくスペースを作る予定です。お気軽に遊びにいらしてください。
これから、一年でもっともあわただしい年の瀬に入ります。 寒さに向かう折、どうぞご自愛くださいませ。
皆様の年の瀬が明るい幸せなものとなるよう、心よりお祈り申し上げます。 当蔵も大きな夢に挑戦し、社員一同一丸となって、大リーグに挑戦する松坂選手にあやかるよう、現在、酒造りに全力投球しています。