蔵元便り 柚野の里から

2007年02月

それぞれの富士錦

昨日、近所のスーパーで「不二家ピーチネクター」を見かけ思わず手に取りました。
「好きだったのになあ」というのが実感です。雪印に次ぐ食品メーカーの不祥事に、日本酒を醸す当蔵でも、その行方が気になります。
それでも自分の好きだったモノが、店頭から無くなるのは、本当に寂しい事ですね。
そんな折、以前富士錦で行ったアンケートに改めて目を通してみました。
「ご意見・ご要望がありましたら、お聞かせ下さい。」との最後の質問に、 あふれるように書き込んで下さっているたくさんの方々の声を読み進めると、100人いれば100通りの富士錦があるんだな、と、改めて驚かされます。

富士錦の純米酒が大好きと書いて下さっている陽気そうな男性。蔵開きが毎年恒例の楽しみ、というご家族。九州に住むお兄さんに毎年富士錦を送って喜ばれてるよと、書いて下さっているやさしい妹さん、 柚野出身なので、毎月新聞の蔵元だよりを読むのが、故郷を感じて懐かしいと書いてくださった同郷の女性。

パッケージは今のままの素朴な雰囲気が好きと肯定の応援。
ラベルがシンプルすぎて中身を想像させるようなものが少ない、という辛口の応援。読めば読むほど、それぞれの富士錦が見え、その思いに感謝が募ります。

 その中のおひとりは「商品に自信を持って行って居ることを信じる。」と、ひとこと書いて下さいました。
美味しい酒を求めて半年間酒造りの日々を戦い抜き、 その酒に自負を持って販売している事。そういう地酒屋である事を信じていますよというメッセージ、と受けとりました。
富士錦、社員一同この言葉を肝に銘じて自社製品に自負を持ち、消費者の皆様に信頼をお届け出来るよう、心新たに念づる一年の初頭の月です。