蔵元便り 柚野の里から

2008年04月

蔵開きお知らせ

真っ白な大振りの花弁の白木蓮が一斉に見頃を迎え、その純白の美しさが一際目を引く里の春です。


富士錦にとって3月は毎年緊張の月となります。半年かけて醸した日本酒の仕込みがほぼ終了し、ホッとするのも束の間、今度は鑑評会シーズンへと突入です。先日開催された静岡県清酒鑑評会においては、おかげ様で吟醸の部で入賞(第三位)することが出来ました。

そして、もう一つの柱が「蔵開き」です。ご来場いただいた多くの皆様、本当にありがとうございました。12回目を数えるこのお祭りも、今年は前日からポカポカ陽気に後押しされ今までで最高の人出となりました。
実は、より多くの方にゆっくりしていただこうと思い毎年少しづつ田んぼの休憩所を広げています。今年は、自社田で出来る目一杯まで休憩所を広げました。その休憩所も去年は余裕があったのですが、今年は満員御礼でした。その休憩所でのエピソードです。
テントを張りブルーシートに座布団代わりの段ボールという田んぼの休憩所の中で過ごされた最初のお客様が席を立たれるとき、テーブルを綺麗に片付けシートをたたみ、次に座る方のためのご配慮をしてくださったのです。

すると、一日その休憩所のお客様はどの方もそんな風にされて、席を立たれたのです。田んぼの酒の販売を担当していましたスタッフは、「今年のお客様はすごかったです。」とそのマナーの良さを、嬉しそうに話していました。
翌日の田んぼのゴミ拾いも、例年より量が少なくたばこの吸い殻を拾う程度で終わる事が出来ました。ご来場いただきました心清らかな皆様のご協力によって、気持ちの良い祭りとなりましたこと、この紙面にて改めてご報告し、感謝申し上げます。
後日、協力いただいたイベント会社の人にこのエピソードを話すと、「そういった話はあまり聞かれませんね。」と、ビックリしておられました。
翌日、誰もいない田んぼは昨日のことがまるで夢のようでした。また、来年、趣向を凝らしお待ちしております。ありがとうございました。