蔵元便り 柚野の里から

2008年09月

日本は老舗大国

いつもならとっくに白菜の敏をつくっているのになあ、今年はようやく種を蒔いた・・・、としばし空を見上げる母。

今年流行のゲリラ豪雨がやってきた 8月上旬には柚野の里でも数時間の停電と叩きつけるような豪雨を体験しました。皆様がお住いのところは大丈夫でしたか?
本当にお天気に右往左往したこの夏。いつもと変わらず、ひょっこり芽を出す白菜の種にホッとする今日この頃です。

実は先月、嬉しいことに「BUSINESS VEGA」という情報誌の~老舗に学ぶ100年経営~という特集で、弊社を取り上げていただきました。 以前から、気になっていた大好きな雑誌なので、取材していただき大変光栄でした。
その特集がまたおもしろかったのです。一般的に、「企業の命は30年」と言われ、環境変化のスピードの速い現代はもっと短いという状況の中、 老舗企業の魅力に焦点をあてた特集でした。「老舗」の定義は数多くあるそうですが、3代以上または100年以上継続している企業をそう呼ぶのだそうです。そして、初めて知ったのですが、日本は世界一の老舗大国、なのです。

この基準に照らし合わせると、老舗に該当する企業は、日本国内に約五万社。一方、世界の老舗数は、四千社で、55カ国にわたって存在しているのだそうです。日本がダントツで多いのですね。
これは、日本人の伝統的な家制度が踏襲される点と、組織本来の存続・発展を最優先させ、時には血縁者以外の人材も加えた点の2点に特徴があるそうです。日本人の特性は非常に柔軟性があることなのですね。
こんな特集記事が頭に残りお盆に、両親の来し方を想いました。常に前を見るという気風と忍耐力という言葉が浮かんできます。どんな時も、後ろは見ないそんな強さがありました。代を譲り少し肩の荷を下ろし、少しだけ寂しそうな両親は、もうすぐ二人だけで2泊3日の京都旅行に出かけます。
ゲリラ豪雨なんていうのにぶつからず、思い出に残る良い旅になるよう願う、8月の終わりです。