蔵元便り 柚野の里から

2009年03月

状況判断

時の財務大臣が、サミットの記者会見に、泥のように酔っぱらって現れて、あまりのみっともなさに辞任されました。大臣が注文されたのはワインのようですが、皆様と同様、日本人として、やはり、非常に残念でなりません。
また、お酒造りに携わる者の端くれとして一言加えさせていただくなら、アルコール飲料の負の側面が、この件でさらに強調され皆様の記憶に残るのであろう、と言うことに、また、悔しくてトホホ…です。

 ところで、日本酒業界は、自慢ではないがここ数十年ずっと右肩下がりの業界です。だから、「不況」という言葉に、そんなにびっくりする事もありません。地方の小さな酒蔵にしてみれば、いつものこと。

そんなマイナーなアゲインストの風が吹く世界で暮らす者からしてみれば、半年前の自動車業界のような売れに売れている、なんていう状況での経営の方が、経験がない(もちろん、そんな経験が出来るように日夜努力しているのですが…)。
反面、「不況」が数十年続いても、その業界がなくなるわけではないことは、立証されています。
同業他社はますます少数精鋭化し、身近な静岡県の蔵を見渡しても、高品質で全国有数の蔵も数多くあり、まさに吟醸大国静岡なのです。
そして、その蔵元さん達に共通していることは、仕事に対しての誠実さと情熱であろう。やはり、まずこの情熱がないと、活発な営業活動は、できないのではないだろうか…。
また、ある識者は「不況と考えるのではなく、ある時代が終わり、ある時代がはじまろうとしていると考え、この「ある時代」にあてはまる時代認識をより正確に持つこと、が最も大切だ」と、説いていた。
この夢のない時代に、夢を持つ勇気を持つ事。大切に日々を過ごし誠実に仕事を続けられるよう、時代認識のアンテナは高くはっていきたいと思っています。

ところで、先月十五日に、弊社モンドセレクション最高金賞キャンペーンが締め切りを迎え、結果、本当に大勢の皆様にご応募いただきました。ありがとうございました。
厳正な抽選を行い、すべての賞品の発送を無事終わりました。ご応募いただきました皆様、どうもありがとうございました。