蔵元便り 柚野の里から

2010年02月

蔵見学会

 ろう梅の渋い黄色が目深く積もった雪をたたえた富士山に映えて一際綺麗です。 その鱗で、紅白の梅の蕾がぷっくりと膨らみ、まだ見ぬ春を告げているようです。
それにしても、今月は凍えるような寒さでしたね?お元気ですか? 真っ白に霧が降り、水道が凍る年明けの朝も、やはり、富士錦では、酒造りに打ち込んでいます。
そんな中、先週の土曜日に、富士錦では、少人数の皆様をお招きして、「蔵見学会」を催しました。 弊社社長を案内役に、蔵の歴史や自己紹介から始まり、蔵の中では、酒造りの隅々までご案内して、 タンクで息づく酒の息吹を心ゆくまで体感していただきました。
ちょうど、行っていた大吟醸の米の手洗いの光景やその小さく磨かれた真珠のような米のつややかさに驚かれた人。 醗酵して泡立つもろみに、「お酒も生きているんですね!」と感激新たな人。
小さな酒母タンクで、シュワシュワと活動する酒母が発行を重ねてほの温かく、底冷えする蔵の中で、 ホワッと酒の生きている手の平にぬくもりを体感する事のできる貴重なスポットです。
蔵の中にはいると、なんとも言えない芳香とプチプチと醗酵する酒の大合唱が耳に残っています。 と嬉しいお葉書を後日頂戴し、改めまして、感謝の気持ちで一杯です。

信一社長は、酒蔵見学にお見えいただいたお客様には、「感動と共に」という気持ちでご案内するんだと申しています。 自身が酒蔵育ちではないため、初めて二十代後半の時足を踏み入れた酒造りの現場を見たときの、 新鮮な感動とその緻密で見事なメカニズムに心底心が動いた日の事を、今でも折にふれてよく話しております。
その感動を、是非多くの皆様にお伝えしたいと、話しています。
毎年が一年生と語る、畑福杜氏の言葉の通り、酒造りはやはり、人を夢中にさせる魅力を持っています。
是非一度酒造り、ご覧になってください。お待ちしています。