蔵元便り 柚野の里から

2012年05月

初づくし

遅咲きの桜が華やかに咲き始めた今月半ば、半年間の酒造りを終えて、蔵人たちが故郷へ無事帰って行きました。今年は、富士錦では杜氏が替わって初めての年でしたので、蔵人達も新たな気持ちで酒造りに望む、「初心に返った」半年間でした。

特に一月・二月は冷え込み厳しい中、きっちりと大吟醸造りに打ち込み、一冬65本の酒に心を注ぎ、晴れ晴れとした笑顔で、皆が帰っていった印象的な春でした。
今年は実はもうひとつの「初めて」も、経験しました。富士錦の麹造りの技術を生かして、話題の「塩麹」の販売を今月始めました。塩麹は、米麹と塩と水で作る調味料です。
塩の替りに、いつもの家庭料理にお使いいただくと、味がやさしくマイルドになって、深みが増します。
これは、麹による酵素の働きなのですが、初めて鶏の唐揚げを塩麹を使って下ごしらえをして、それを食べたときの驚きは、まさにマジックのようでした。

身近にあった米麹の魅力に改めて気付かされたこの春。麹を使って美味しく健康に!を目標に、こちらも挑戦が、始まりました。ご期待ください。