蔵元便り 柚野の里から

2015年04月

静岡らしさ

今月は、春の鑑評会の一般公開が続き、先週は南部杜氏協会のある岩手へ、
今週は酒類総合研究所のある広島へ、行ってきました。
お蔭様で富士錦では両鑑評会とも入賞し、全国の出品酒が一同に会する会場は熱気に溢れていました。


その中で富士錦の酒は、静岡らしい良い出来で、ホッと安心しました。
他県の受賞酒は香りが非常に強い傾向がある中、静岡の酒は、味と香りのバランスがとても良く、飲んでホっとするようなお酒でした。
この「静岡らしさ」というスタンスは、これからも大事にしていきたいと、改めて感じた広島の地でした。
又、柚野の里では今月中旬に、田植えも済みました。
今年は、うす曇りの田植え日和の中、酒米「山田錦」と「誉富士」を植え付けし、ひと夏その成育を見守ります。柚野の里で、米作りから酒造りまで、自社で行う一貫造りへの夢の土台作りをしています。

また今年も冨士錦では、日本一の富士山の麓で醸した冨士錦の酒を、日本一深い駿河湾に沈めた海中熟成酒プロジェクトに全国15蔵の蔵元と共に参加しています。
南伊豆の海底の、水深約20メートル、水温8~12度の安定した海底で半年熟成した日本酒を、来月11日に引き上げます。
「海に眠るお酒を召し上がった事はありますか?」
今年も、お披露目できる運びとなりました。
初めて挑戦した昨年は、その味わいが非常にまろやかに飲みやすく熟成されていることに本当にびっくりしました。
今年もどんな味わいのお酒になるか、楽しみです。